レポート
米国の働き手の5人に1人が、今ではほかの人ではなくAIに仕事を任せている
原題:One in five US workers now delegates tasks to AI instead of other humans
分かったこと
- 就業中の成人の5人に1人が、今では一部のタスクを人間ではなくAIに任せている。回答者の20%が、以前は同僚や請負人に任せていたタスクの少なくとも一つを、今ではAIが担っていると答えた。
- AIは、私たちが尋ねた10の仕事のタスクすべてで使われている。各タスクを行う働き手のうちAIを使う人の割合は、25%(記録の管理)から57%(システムとソフトウェアの設計)までの幅がある。
- AIがタスクの大半または全部をこなすことはまれだが、そうした場合のほうが働き手は時間を節約できることが多い。AIが仕事の一部を手伝ったタスクでは、働き手は37%のタスクで時間を節約できたと答えている。AIがタスクの大半または全部をこなした場合、時間を節約できたと答えたタスクは53%だった。
- 働き手は、AIの出力の半分以上を最小限の修正で受け入れている。AIの支援を受けたタスク全体で、出力の66%はそのまま、あるいは軽い修正だけで使われた。大幅に手直しされたか、ほぼ一からやり直されたものは5%だった。
今年3月3〜5日に実施した前回の調査では、AIが米国の職場でありふれた道具になっていることが分かった。就業中のAI利用者の51%が、私的な用事と少なくとも同じくらい仕事でもAIを使っていると答えたのである。職場でのAIの利用をより詳しく見るため、就業中の米国の成人1,106人を対象に、10の仕事のタスクでAIをどう使っているかを調査した。調査したタスクは、米国の知識労働を幅広く代表するように選んだ。
以前はほかの人に任せていた仕事が、今ではAIに任されている
人間からAIへの仕事の割り振りの変更は、AIが仕事の流れに入り込んでいる具体的な形の一つである。私たちは働き手に、自分や自分のチームが以前は請負人や同僚に任せていたタスクのうち、今ではAIがほぼ全部、あるいは全部を担っているものがあるかを尋ねた。5人に1人が、測定した10のタスクの少なくとも一つでそうなっていると答えた。
このようなAIへの仕事の割り振りの変更は、測定した10のタスクすべてで見られる。最も多いのは「データの分析」(回答者の7.1%)で、「仕事の文書を読む」(5.7%)、「記録の管理」(5.3%)が続く。タスク単位での代替は見られるものの、これは必ずしも働き手が丸ごと置き換えられることと同じではない。
この調査について
この分析のデータは、住所にもとづく抽出で募集した確率標本のオンラインパネルである Ipsos KnowledgePanel で実施した、Epoch AI と Ipsos の調査から得たものである。
調査は2026年7月10〜19日に実施し、就業中の米国の成人1,106人が対象である。
確率標本にもとづく抽出は自己選択バイアスを減らし、就業中の米国の人口をよりよく代表する推定値を生む。推定値はすべて、就業中の米国の成人を代表するよう重み付けしている。分析では、無効な回答の少数(n=3)を除いた。
タスクは、米国労働省の職業データベースである O*NET にある一般的な仕事の活動から、一般的な知識労働を反映するよう、就業者の割合にもとづいて選んだ。
方法論の詳細はこちら。
特に断りのない限り、点推定値と件数はすべて重み付けしたものである。信頼区間は90%で、回答者を一次抽出単位としてテイラー級数による線形化を用いて推定した。タスク単位で測った結果については、これにより、一人の働き手が回答した複数のタスクがひとまとまりに扱われるので、信頼区間はそのクラスター構造を考慮したものになる。調査票の全文、データファイル、グラフは世論調査のハブで入手できる。
AIは、多くの人が就く職業に共通するタスクで使われている
AIの利用は10のタスクすべてで報告されているが、導入率にはかなりの差がある。「コンピューターのシステムやソフトウェアの設計」のタスクを行う働き手のうち、57%がその仕事に何らかの形でAIを使っている。この割合は「データの分析」を行う働き手では46%、「仕事の文書を読む」では39%である。導入が最も少ないのは「記録の管理」で、これを行う働き手のうちAIを使うのは25%である。
利用がこれだけ広がっているからといって、AIがタスク全体をこなしているわけではない。ほとんどの場合、働き手はAIが仕事の一部を手伝うだけだと述べている。タスクを全部またはほぼ全部AIに割り振る例が最も多いのはコンピューターのシステムやソフトウェアを設計する働き手で、10%に上るが、ほかのタスクでは7%未満にとどまる。
AIはたいていタスク全体をこなすわけではないが、こなす場合に最もよく時間を節約できる
AIの関与が大きいほど、時間を節約できたと答える可能性が高い。回答者によれば、AIが仕事の一部を手伝う場合、37%のタスクで時間が短くなる。AIが仕事の大半または全部をこなすタスクでは、この割合は53%に上がる。
この関連にはいくつかの理由が考えられる。一つは、AIがタスクのより大きな部分を担うことで働き手の時間が節約される、というものだ。もう一つは、働き手が時間を節約しようとしているときに、タスクのより多くをAIに任せる、というものである。この結果が単に、AIが特にうまくこなすタスクを反映しているだけという可能性もある。
ただし、AIを使えば必ず時間を節約できたという回答が伴うわけではない。AIの支援を受けたタスクのおよそ6件に1件は、今では以前より時間がかかっている。この割合は、AIがタスクの一部を手伝う場合でも、大半または全部をこなす場合でも同じくらいである。理由としては、AIとやりとりするせいでタスクに時間がかかるようになった可能性がある。あるいは、別の理由で働き手がタスクに多くの時間をかけているのかもしれない。たとえば、AIのおかげで手が空き、そのタスクをより多く、あるいはより質の高い形で行えるようになった場合である。
働き手はAIの出力の大半を最小限の修正で受け入れている
AIが一部をこなしたタスクと全部をこなしたタスクを合わせると、AIの出力の66%は、生成されたまま、あるいは軽い修正だけで使われている。一切変更せずに使われるのは6%である。より大がかりな修正は出力の27%で報告されており、出力の5%は大幅に手直しされたか、ほぼ一からやり直された。
出力の3分の2が、せいぜい軽い修正だけで使われていることから、働き手はたいてい、AIの出力を自分の仕事に取り入れられる程度には役立つと感じているのかもしれない。ただし、修正の負担は出力の質を直接測るものではなく、時間を節約できたという回答と出力の修正量との間には一貫した関係が見られない。
結論
この調査結果は、現在の仕事の流れの中で、タスクが人とAIの間でどう分担されているかを切り取ったものである。四つの主な要点から見えてくるAIは、多用途だが、たいていはそれだけで仕事が完結するわけではない職場の道具である。合わせて見ると、職業が丸ごと自動化されているというより、タスクが人とAIの間で割り振り直されていると考えられる。
職場でAIがどう使われているかをさらに知りたい方は、利用状況の世論調査のエクスプローラーで、調査結果の全体、方法論、インタラクティブな可視化をご覧いただきたい!