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AIで最も重要な数字の最新情報
原題:An update on AI’s most important number
Gradient Updates は著者個人の見解を述べるニュースレターで、Epoch AI 全体の見解とは限りません。
OpenAI と Anthropic は、同じ規模の企業としては史上最も速い部類の成長、あるいはそれ以上に速い成長を遂げている。売上が10億ドルを超えるテック企業が年100%を超えて成長するのは、きわめてまれである。1
実際、両社はその水準を大きく上回っている。OpenAI は過去1年で年換算売上高(直近の売上を年率に引き延ばしたもの)を3倍にし、昨年8月の130億ドルから現在の400億ドル超に増やした。Anthropic は2025年に売上を10億ドルから90億ドルに伸ばし、そこから成長率はさらに加速した。Anthropic は2026年の第1四半期だけで年換算売上高を3倍超にしたのだ。報道によれば、7月末までに650億ドルに達した。2
もっとも、Anthropic の目を見張る成長率の一部は、割り引いて受け取るべきだろう。Anthropic は後発で、当初は自社より大きかったライバルの OpenAI を追い抜きつつあったのだ。3この効果を除くには、Anthropic と OpenAI を合わせて見ればよい。両社を合わせた成長率は、2023年以降、きわめて速いうえに驚くほど安定している。合計で2024年に3倍になり、2025年には4倍超に伸びた。そして今年はすでに、合計300億ドルから1,050億ドルへと3.5倍に伸びている。しかもまだ8月なのだ! 思い出してほしい。2025年の成長率はすでに記録破りだった。それが今、両社はより高い水準からより速く成長しているのである。4

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2026年の超高成長を受けて、見方をどう改めるべきか?
先験的には、今日のフロンティアAIほどの規模の産業が年3倍や4倍で成長し続けることなど、とうてい持続できないと考えるのが自然だ。LLMが技術的に急速に進歩し、急速に普及しているのは、こうした技術がまだとても新しいからかもしれない。だが、これらの企業が成長し、特に年間売上高が数千億ドルに達する今日の世界の最大級の企業の規模に近づくにつれて、この成長は鈍るだろう。フロンティアの研究所は技術面で手の届く成果を取り尽くし、モデルや製品は成熟し、普及曲線は飽和する。売上の成長率は、年3倍から2倍へ、次に年50%へ、さらに(近年の成熟した巨大テック企業のように)年20〜30%へと鈍化していく。
こうして見ると、2025年の売上の成長が2024年に比べてあれほど堅調だったことは意外であり、2026年の加速にはただただ驚かされる。では、これをどう解釈すべきだろうか。
一つの見方は、これを一時的な加速とみなすことだ。昨年末に Opus 4.5 が公開された頃に、研究所のコーディングエージェントが決定的な閾値に達したことによる加速である。このパターンは以前、ChatGPT が最初に公開されたときにも見られた。GPT-3 はニッチな製品で、OpenAI にもたらす売上は年に多くても数千万ドルだった。5ChatGPT と、それに続く GPT-4 によって利用と売上が爆発的に伸び、OpenAI は2023年に年換算10億ドル、つまり10倍を超える成長を遂げた。その後、OpenAI の売上の成長は2024年に3倍へと鈍化した。
同じように、コーディングエージェントによる売上の爆発的な伸びも、今後数か月でごく短期間のうちに落ち着き、フロンティアAIはついに成長が減衰して成熟する時期に入るかもしれない。もちろん、それは Opus 4.5 水準のコーディングエージェントの先にどんな決定的な閾値があるかによる。たとえば、大きなプロジェクトを手がけることや、コーディングの枠を超えてホワイトカラーの仕事を幅広く自動化することだ。成長曲線はしばしばS字曲線を積み重ねたものにすぎないことを考えると、残る問いは、今のAIの前にこうした閾値がいくつあるか、である。
この異例の成長ペースは続くのだろうか。フロンティアの成長が鈍らない年が続くたびに、AIはただ重力に逆らっているのだという証拠だと解釈することもできる。成熟して市場を飽和させるほかのテック産業と違い、AIは経済全体を自動化し変革する道を進んでいるだけなのだ、と。あるいは、これはフロンティアのLLM、ひいてはAI全般にとって、最後の大きな成長期にすぎないのだろうか。重力が再び効いてきて、フロンティアAIの成長はかつての産業並みに鈍るかもしれない。
答えの一部は、売上の成長が進歩から来るのか普及から来るのかによる。進歩は、進歩が続く限り続く。6一方、普及は数年たつと大きく鈍る。もちろん、この4年間の売上の成長ではどちらも重要な役割を果たしてきた。だが問題は、能力の新しい水準がそれぞれ独自の普及曲線を生むのか(それなら能力が一段上がるたびにさらなる売上の成長につながることになる)、それともフロンティアAIが全体としてただ飽和するのか、である。
AI対世界
Anthropic と OpenAI は合わせて、今や年1,000億ドルのペースで売上を上げている。Exponential View の推定では、生成AI市場全体の規模は合計で年2,000億ドルに近づいている。これはすでに世界経済の約1,000分の1の規模である。
これは、今日のAIの有用性を現実の数字でとらえる手がかりになる。Claude や GPT のモデルは今や、世界がその利用に毎月100億ドル近くを払うほど優秀だ。仮に明日モデルの進歩が止まったとしても、普及によって売上はほぼ確実にしばらく伸び続けるだろう。来年、ベンチマークのスコアと売上がともに順調に伸び、両社合計の売上が年3,000億ドルを超えるなら、たとえ2027年8月から能力の進歩が止まったとしても、AIはいずれ1兆ドル規模の産業になるだろう。
だが、フロンティアAIが売上を年3倍、つまり2年でおよそ10倍のペースで伸ばし続けるなら、素朴に――ごく素朴に――計算すると、現在の世界経済の規模に達するまでに約6年かかることになる。7これは妥当な予測とは言えないが、現在の成長率を理解するうえで良い枠組みになる。今後6年のうちにフロンティアAIの成長が鈍るか、さもなければ経済全体を劇的に作り変えているかのどちらかだ。8フロンティアAIが来年もまた売上を3倍にすれば、1年が過ぎて残りは5年ということになる。
だからこそ、私たちはこれらの数字をこれほど注視している。フロンティアAIの売上の超高成長が続いたまま1年が過ぎるたびに、率直に言えば四半期が一つ過ぎるたびに、AIの軌道についての重要な証拠が得られる。9短期的には、それはAIが数か月前より大幅に役に立つと実証されたことを意味する。売上と、その売上が呼び込む投資は、計算資源のフィードバックループにもつながる。より良いAIがより多くの売上を生み、それがより多くの計算資源を生み、それがより良いAIを生む、という循環である。
だが、この売上の成長がどれほど持続的かも決定的に重要である。成長曲線が曲がり始めるのはいつなのか、そもそも曲がるのか。それによって、フロンティアAIがこれまで見てきた技術とは根本的に異なる軌道にあるのかどうかが分かる。
注
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Exponential View が述べるように、「従来のソフトウェア企業では、成長率は急上昇したあと、プロダクトマーケットフィットから1〜2年で頭打ちになる。しかし OpenAI と Anthropic は、数十億ドル規模に入ってもなお100%超の成長を維持している。これは以前なら不可能だと考えられていたことだ」。 ↩
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両社は異なる売上の会計基準を使っている点に注意が必要だ。利用者がクラウドプラットフォームを通じてトークンを購入した場合、OpenAI はクラウド事業者から受け取る取り分だけを計上するのに対し、Anthropic は全額を計上する。そのため、Anthropic の報告する売上は OpenAI に比べて膨らむ。 ↩
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OpenAI と Anthropic だけがモデル開発企業というわけではないが、両社はフロンティアAI市場の大半を占めているようだ。Exponential View の推定では、生成AI産業全体の重複を除いた総売上高は、2026年6月時点で年換算約1,750億ドルだった。ほかのモデル開発専業の企業(中国の研究所、Mistral、SpaceX に買収される前の xAI など)は、2025年末または2026年時点で、どれも年換算売上高が年10億ドルを下回っていた。 ↩
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2026年の中での成長率は鈍りつつあるのかもしれない。たとえば報道によれば、両社の合計は第1四半期末に約550億ドルで、第1四半期だけでほぼ倍増したが、そこから再び倍増するのに約4か月かかった(それでも2025年より短い倍増期間である)。こうした報道の正確な日付や売上の数字にはかなりの不確かさがあるので(詳細はこちら)、これらの計算を額面どおりに受け取るべきではない。 ↩
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そう、これは自明なことだ。だが、AIの進歩は着実に見え、少なくとも数年は続くと予想するそれなりの理由がある。 ↩
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AIの売上の規模とGDPへの影響が厳密にどう対応するかは、この記事の範囲外である。年10兆ドルを超える新しい産業が生まれれば、世界に劇的な影響を与えるだろう、とだけ言っておけば十分だ。 ↩
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さらに、この傾向が続けば、トップのフロンティア研究所は、世界最大の個々のテック企業に並ぶまであと1〜2年、今日の世界経済の年間の伸びに並ぶまで4年足らずである。 ↩
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フロンティアAIの売上が意味することについてさらに論じたものとしては、AI Futures Project が、AIの売上をコーディングとAI研究の自動化に結びつけるモデルを提案している。 ↩