レポート

OpenAI の Stargate:米国内の各拠点の現状

原題:OpenAI Stargate: where the US sites stand

はじめに

米国では今、AIインフラがかつてない規模で建設されている。その取り組みの規模を何よりもよく表しているのが、AI開発企業 OpenAI、クラウド事業者 Oracle、投資会社 SoftBank が関わる5,000億ドル規模の事業、Stargate である。

Stargate は米国内に7つの拠点をもち、現在そのすべてで開発が進んでいる。最も進んでいるテキサス州アビリーンの拠点は、すでに推定0.3ギガワット(GW)の容量で稼働している。ほかの6拠点は、テキサス州のさらに2拠点と、ニューメキシコ州、ウィスコンシン州、ミシガン州、オハイオ州の施設である。7拠点を合わせた計画容量は9 GWを超え、ニューヨーク市のピーク電力需要に匹敵する。1これは Nvidia H100 GPU 2,000万基相当を動かすのに足りる電力であり、2025年末時点で世界にあったAIの計算資源の総量に当たる。2

拠点現在の
容量(GW)
計画
容量(GW)3
着工
時期
完成
予定
電源
テキサス州アビリーン0.31.22024年第2四半期2026年第4四半期オンサイトのガス、送電網
テキサス州シャクルフォード郡02.02025年第3四半期2028年第4四半期オンサイトのガス
ニューメキシコ州ドニャアナ郡02.22025年第4四半期2028年第4四半期オンサイトのガス
テキサス州マイラム郡01.22025年第3四半期2028年第4四半期オンサイト(種類不明)
ウィスコンシン州ポートワシントン01.32026年第1四半期2028年第4四半期送電網
ミシガン州セーリン・タウンシップ01.42025年第4四半期2028年第4四半期送電網
オハイオ州ローズタウン0<0.32025年第4四半期不明送電網

Stargate の設計上の選択からは、米国でギガワット級のAIデータセンターを建てるうえでの主な課題に、建設側がどう対処しているかが見えてくる。送電網への接続を待つ長い順番待ちを避けるため、7拠点のうち少なくとも3拠点はオンサイトの天然ガス発電所を使う。水の使用量をめぐる世間の懸念に対処するため、少なくとも6拠点は水を蒸発させない閉ループ式の液冷システムを使う。4こうした判断で事業の時間はおそらく節約できるが、施設のコストは上がる。

2025年の発表内容によれば、マイラム郡とオハイオ州の拠点のハードウェアは SoftBank が、残りの拠点のハードウェアは Oracle が所有する。どの拠点も OpenAI のワークロードを担う。

各拠点

テキサス州アビリーン

テキサス州アビリーンの Stargate 拠点の衛星画像。Image © Airbus DS 2026、2026年3月24日撮影。

現在の容量:0.3 GW|H100換算25万基5

計画容量:1.2 GW|H100換算100万基

完成予定:2026年第4四半期

Stargate 計画の旗艦拠点はテキサス州アビリーンにある。AIインフラ企業 Crusoe が建設するアビリーンは、現時点で最も完成に近い Stargate の拠点であり、8棟のうち推定4棟がすでに稼働している。これらの建物には、最先端の Nvidia Blackwell チップが収められている。

電力は現在、オンサイトの天然ガスと、地元の風力発電を含む送電網からの電力を組み合わせて供給されている。

OpenAI はこの拠点を2.1 GWまで拡張する計画だったが、最近になって方針を転換し、その容量をほかの拠点に振り向けることにした。その後 Microsoft が、隣接する900 MWの拠点について Crusoe と提携した。

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テキサス州シャクルフォード郡

テキサス州シャクルフォード郡の Stargate 拠点の衛星画像。Image © 2026 Vantor、2026年4月14日撮影。

現在の容量:0 GW

計画容量:2 GW|H100換算420万基

完成予定:2028年第4四半期

アビリーンの拠点から郡境を越えてすぐの所で、データセンター開発企業 Vantage が、10棟の建物からなる1,200エーカー(4.9平方キロメートル)の巨大なキャンパスを建設している。

キャンパスの電力は、オンサイトの天然ガスのマイクログリッドでまかなわれる。

Vantage は、この拠点の最初の建物の引き渡し時期を2026年後半としている。6衛星画像では、この建物の屋根工事が進んでいる様子が分かる(明るい白で見える部分)。

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ニューメキシコ州ドニャアナ郡

ニューメキシコ州ドニャアナ郡の Stargate 拠点の衛星画像。Image © Airbus DS 2026、2026年2月6日撮影。

現在の容量:0 GW

計画容量:2.2 GW|H100換算460万基

完成予定:2028年第4四半期

ニューメキシコ州では、STACK Infrastructure が4棟の大きな建物からなる Project Jupiter を開発している。衛星画像では基礎工事が進んでいる様子が分かる。

この拠点の電力は、地域の送電網への影響を抑えるよう設計された2つの天然ガスのマイクログリッドでまかなわれる。

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テキサス州マイラム郡

テキサス州マイラム郡の Stargate 拠点の衛星画像。Image © Airbus DS 2026、2026年3月23日撮影。

現在の容量:0 GW

計画容量:1.2 GW|H100換算250万基

完成予定:2028年第4四半期

SoftBank の子会社 SB Energy は、オースティンの北東約70マイル(110キロメートル)のテキサス州マイラム郡で、「短期建設型」と説明される拠点を建設・運営している。3月の衛星画像には、最初の建物の鉄骨と屋根(青い長方形に見える部分)が写っている。規制当局への届け出によれば、この建物は10月までに引き渡される。

SB は、キャンパスの電力の大半を供給するため、新たな発電・蓄電設備に資金を出して建設する計画である。

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ウィスコンシン州ポートワシントン

ウィスコンシン州ポートワシントンの Stargate 拠点の衛星画像。Image © Airbus DS 2026、2026年2月14日撮影。

現在の容量:0 GW

計画容量:1.3 GW|H100換算260万基

完成予定:2028年第4四半期

シャクルフォード郡の拠点の開発も手がける Vantage は、ミルウォーキーのすぐ北のポートワシントンで、「Lighthouse」と名付けたキャンパスに着工した。衛星画像では基礎工事の様子が見える。

この拠点は「設計段階から持続可能」と説明されており、電力の70%を太陽光、風力、蓄電池から得る。

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ミシガン州セーリン・タウンシップ

ミシガン州セーリン・タウンシップの Stargate 拠点の衛星画像。Image © 2026 Vantor、2026年3月12日撮影。

現在の容量:0 GW

計画容量:1.4 GW|H100換算290万基

完成予定:2028年第4四半期

Related Digital は、デトロイトの南西のセーリン・タウンシップで、「The Barn」と呼ばれるキャンパスを開発している。衛星画像では、最初の建物の基礎工事が進んでいる様子が分かる。

電力は DTE Energy が100%供給し、事業側が資金を出す蓄電池システムで補う。

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オハイオ州ローズタウン

オハイオ州ローズタウンの Stargate 拠点の衛星画像。Image © Airbus DS 2026、2026年2月27日撮影。

現在の容量:0 GW

計画容量:<0.3 GW|H100換算30万基未満

完成予定:不明

7番目の拠点はオハイオ州にあり、土地の一部は整地されているが、大規模なデータセンターの建設は見られない。この拠点は主にAIサーバーとデータセンター設備の製造施設であり、SoftBank と Foxconn の合弁事業として運営されている。データセンターの容量はおそらく0.3 GW以下だろう。OpenAI は、マイラム郡とローズタウンの拠点が2027年までに合わせて1.5 GWまで拡大しうると発表している。

Foxconn の工場にはすでに変電所が接続されているので、ローズタウンのデータセンターはおそらく送電網から電力を得るだろう。

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今後の道のり

現時点で、5,000億ドル規模の Stargate 計画全体は、単なる野心以上のものになっている。建設は米国各地で始まっており、2029年までに完成させる時間は十分に残されている。しかし、7拠点すべてにとって先は長い。OpenAI がアビリーンの拡張から手を引いたことが示すように、計画は着工後でも変わりうる。このかつてない規模では、資金調達や設備の調達も難しくなるだろう。最後に、政治的な反対も現実の要因である。ローズタウンで今後のデータセンターが禁止されたことや、ミシガン州の拠点への地元の反対がそれを物語っている。Epoch AI は、これらがどう展開するかを見届けるため、Stargate 計画とより広いデータセンターの建設を注視していく。

注

注
  1. NYISO の2025年版 Gold Book(30ページ)は、2026年から2030年にかけてのニューヨーク市(Zone J)の夏のピーク需要を約11 GWと予測している。これは年間で需要が最も高い1時間を表す。 ↩

  2. H100 は一例にすぎない。これらのデータセンターに実際に入るチップは、おそらく Nvidia Blackwell、のちに Nvidia Rubin になる。世界の計算資源の総量は AIチップの販売データベースにもとづく。このデータベースは、2025年第4四半期までに販売されたAIチップを約2,000万基分のH100換算と推定している。Stargate の各拠点の計算資源の見込みは、電力容量と、主要な機械学習ハードウェアのエネルギー効率の傾向から推定した。ただしアビリーンは例外で、Crusoe が建物1棟あたり Blackwell GPU 5万基と公表している。 ↩

  3. 記載した電力容量はすべて、GPU、冷却、照明などの電力を含む施設全体の電力を指す。Stargate の各拠点の電力容量は、施設全体の電力とIT電力のどちらで報告されるかが一定していない。一部の拠点については、報告されたIT電力から施設全体の電力を推定した。たとえば Vantage はシャクルフォード郡をIT電力1.4 GWと報告している。テキサス州の暑い夏の気候と、閉ループ式の冷却(蒸発式の冷却よりエネルギー効率が低い)を考慮し、施設全体の電力を約2 GWと推定した。 ↩

  4. 出典:アビリーン、シャクルフォード郡、ドニャアナ郡、ポートワシントン、セーリン・タウンシップ、ローズタウン。マイラム郡については閉ループ式であることを直接確認できなかったが、水の使用量を最小限に抑えるよう設計されている。 ↩

  5. H100換算1基とは、Nvidia H100 GPU 1基に相当する計算能力で、1秒あたりの演算回数で測る。H100換算の単位では、チップの8ビット演算の1秒あたり演算回数の最大仕様値を使ってチップ間を換算する。 ↩

  6. これは完成した建物がテナントに引き渡される時期であり、データセンターが完全に稼働する時期ではない。 ↩

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非公式の日本語訳公式ページ(英語):epoch.ai/publications/openai-stargate-where-the-us-sites-stand