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フロンティア・データセンター・ハブを公開

原題:Introducing the Frontier Data Centers Hub

はじめに

企業はかつてない規模でAIデータセンターを建設している。こうした施設は小国に匹敵する電力容量を持ち、建設費は数百億ドルにのぼる。しかしこれまで、その実際の容量や進捗の詳細は不透明なままだった。この新たなインフラの波の規模を一般の人々、研究者、政策立案者、投資家が理解する助けとなるよう、Epoch AI はフロンティア・データセンター・ハブ(Frontier Data Centers Hub)を作成した。

この公開データベースは、衛星画像、公開されている許認可、その他の公開情報源を使って、主要なAIデータセンターの建設と容量を追跡する。最大手のAI企業がどれだけの電力、土地、ハードウェアを、いつ投入しているかについて、現時点で最も詳しい公開資料である。

このハブで追跡している米国の大規模データセンター13か所は、世界全体の計算資源のストックのかなりの割合を占めている。2025年後半の時点で、過去数年間に顧客に納入された約1,500万H100換算のうち、約250万(約15%)にあたる。

AIデータセンターの仕組みについては解説記事「AIデータセンターについて知っておくべきこと」を、私たちの方法論についてはこちらを参照してほしい。

電力

電力はAIデータセンターにとって重要な制約であり、最大級のAI施設のエネルギー使用量はまもなく小国に匹敵するようになる。1 GWの拠点1か所が消費する電力は、米国の約100万世帯をまかなえる量である。

このハブでは、各拠点の施設全体の電力を追跡している。データセンターの施設電力は、IT機器の電力容量より大きく、通常は約1.3倍である。私たちの推定は高解像度の衛星画像と航空写真に基づいており、チラーや冷却塔などの冷却設備を特定・計測して、各データセンターの総電力容量を推定している。この分析は、許認可や関係企業による公開情報などの裏づけ資料で確認している。

私たちのデータによれば、来年には複数のデータセンターが施設電力の合計で1 GWを超える可能性が高い。

  • Anthropic–Amazon New Carlisle(1月)
  • Colossus 2(2月)
  • Microsoft Fayetteville(3月。1 GWぎりぎり)
  • Meta Prometheus(5月)
  • OpenAI Stargate Abilene(7月)

追跡している施設では、建設開始から施設電力容量1 GWの達成までの期間は1〜3.6年で、xAI は Colossus 2 をわずか12か月で建設する計画である。

各データセンターの建設の進み具合は、ハブの衛星ビューアーで追うことができる。ビューアーでは、注記を付けた高解像度の衛星写真で各データセンターの時系列を追跡している。

Anthropic/Amazon New Carlisle の建設の進み具合。
画像出典:Copernicus Sentinel data 2025。

OpenAI Stargate Abilene の建設の進み具合。
画像出典:Copernicus Sentinel data 2025。

大規模データセンターを見つけ出せる主な手がかりは、冷却設備である。数十億ドル規模の機器の過熱を防ぐのに必要な巨大なチラーは、隠すのが難しい。衛星画像を分析し、それを許認可の書類やハードウェアの仕様と照らし合わせることで、驚くほど狭い誤差の範囲で容量を推定できる。

2025年9月26日の OpenAI Stargate Abilene の高解像度衛星画像。建屋1と建屋2はおそらく全面稼働している。
画像出典:Copernicus Sentinel data 2025。Airbus 提供、Apollo Mapping 配信。

計算資源

この膨大な電力消費は、フロンティアモデルの学習と運用を担うチップを動かすために必要である。学習実行のスケーリングの現在のトレンドが続けば、2年後の最大のAI学習実行では約250万H100換算(H100e)が使われる可能性がある。H100e は、計算処理性能を NVIDIA H100 の処理能力を単位として表した尺度で、1 H100e は NVIDIA H100 GPU 1基のピーク性能に等しい。

チップの種類と効率のトレンドに基づくモデルを使って、各施設のGPUの総計算性能を H100e で推定している。2026年に最も強力なAIデータセンターとなる xAI の Colossus 2 は、140万H100e の計算能力を持つ。これに対し、2024年半ばの時点で首位のデータセンターはわずか10万H100eだった。

しかし、さらに大きな計算能力を持つデータセンターも視野に入っている。私たちの推定では、Meta Hyperion と Microsoft Fairwater の巨大データセンターは、完成時にH100 500万基に相当する計算能力を持つ。

この規模の多くのデータセンターと同じく、Hyperion と Fairwater も段階的に稼働を始める。企業は発表でこうした段階的な日程を必ずしも明らかにしないため、データセンターの実際の容量が時とともにどうなるのかについて混乱が生じている。

建設の進捗と許認可の申請で開示された日程に基づき、Fairwater は2026年3月に第1期が稼働し、2027年9月までに全面稼働すると予測している。Hyperion はおそらく2028年1月に第1期が稼働するが、完成時期ははっきりしない。

コスト

これらのフロンティアAIデータセンターには、莫大な資本投資が必要である。このデータハブでは各データセンターの総資本コストを推定しているので、投資の規模を簡単に追える。総資本コストには、IT ハードウェア、機械・電気設備、建屋の躯体とホワイトスペース、建設の人件費、用地取得の費用が含まれる。

典型的な資本コストは、サーバー電力1ギガワットあたり440億ドルで、そのうち300億ドルが IT ハードウェア、140億ドルがその他の費用だと推定している。ただし、施設全体の電力1ギガワットあたりのコストはこれより低く、通常は300億ドルに近い。付帯設備の分だけ、支えられるサーバーの数が減るからである。

この典型的なコストの裏で、最上位のデータセンターのコストは時とともに着実に上がっている。「その時点で最も高価なデータセンター」の座は、電力容量1 GW以上の巨大データセンターが占めている。Microsoft Fairwater は、ハブの中で最も高価なデータセンターになると予測され、完成時の総資本コストは1,000億ドルを超える。

新しいフロンティア・データセンター・ハブが、大規模な計算資源を支えるインフラを理解したいすべての人にとって有用な資料になることを願っている。現在は米国の最大級のAIデータセンター13か所を対象としており、対象を世界に広げる計画である。

さっそくデータを見てみてほしい。AIの未来を形づくるインフラの整備をこれからも追跡していくので、続報にご期待いただきたい。

この資料は、既存の GPUクラスターデータベースを土台にしつつ、はるかに踏み込んだものである。GPUクラスターのデータベースは主に公開情報と報道に頼っているが、フロンティア・データセンター・ハブは衛星画像と許認可のデータを使って、容量と建設の進捗を独自に検証している。この方法論の転換により、フロンティアAIのために築かれつつある物理的・経済的な基盤を、はるかに詳しく見られるようになった。

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非公式の日本語訳公式ページ(英語):epoch.ai/latest/introducing-the-frontier-data-centers-hub