お知らせ
生物学AIの収録範囲を拡大
原題:Announcing our expanded biology AI coverage
Epoch AIの機械学習モデルのデータベースの一部である、生物学モデルのデータセットを拡大したことをお知らせする。創薬、タンパク質工学、ゲノミクスの進歩を支えるなど、生物学でAIが果たす役割は大きくなり続けている。生物学AIモデルがもたらす機会とガバナンス上の課題を考えると、この分野の進歩を追跡する重要性も増している。
このプロジェクトの目標は、研究者と政策立案者のための包括的な資料を提供することである。そのため、今回の更新では、能力・規模・科学的インパクトの点で最先端にある最近のモデルを優先しつつ、360を超えるモデルの情報を整理した。開発者、想定されたタスク、学習データセットの詳細に加えて、各モデルの開発に使われた学習計算量の新しい推定値も収録した。
計算量とデータの傾向を分析すると、この分野が性能を高める手段としての規模拡大にどれだけ力を入れているかを理解する手がかりになる。上の図は、生物学モデルの学習計算量とデータセットのサイズの推移を追ったもので、2017年から2021年にかけて大きく増え、その後は比較的伸びが鈍っていることがわかる。この図を見ると、この分野がいかに速く進歩してきたかがよく分かる。同時に、そのペースが変わりつつある可能性もうかがえる。透明で調べやすい計算量の推定値を提供することで、何が進歩を支えているのか、近い将来どこにボトルネックが生じうるのかについて、より深い議論ができるようになることを願っている。
このデータをダウンロード最後に、生物学モデルはデュアルユース(軍民両用)の懸念を生じうるため、開発者がそうしたリスクを抑えるために採用している安全対策についての情報もまとめた。データのフィルタリング、リスク評価、推論実行時の拒否、アクセス制御などである。私たちのデータセットでは、何らかの安全対策をとっているモデルは3%に満たない。ただし、最も能力の高いモデル(EvolutionaryScaleのESM 3のような大規模な基盤モデルや、AlphaFold 3のような強力な特化型モデル)ほど、安全対策が多い傾向にある。悪用の可能性を抑えるための最善の方法を、開発者が今後も共有していくことを期待している。
責任ある研究を可能にしつつ、モデルの安全対策についての機微な情報を守るため、安全対策の詳しいデータは要望に応じて提供する。この情報の利用を希望する研究者や開発者は、safeguards@epoch.aiまでメールしてほしい。
データセットについての追加情報は、データベースの解説を参照してほしい。
Sentinel Bioは、このデータ収集プロジェクトとその公開に資金を提供した。得られたデータセットはEpoch AIが所有する。手厚い支援に感謝する。