データインサイト
AI検出ツールは人間の文章をほとんどAIと誤判定しないが、実在の著者を模倣したAIの文章を見逃すことがある
代表的なAI文章検出ツール3つ(Pangram、GPTZero、Originality.ai)を、AIの文章と人間の文章の両方で検証した。基本的なプロンプトから生成したAIの文章では、偽陰性率(見逃し率)はほぼゼロだった(検出ツール全体で最大0.7%)。しかし、特定の著者の作品のサンプルを5つモデルに与えて模倣させると、生成された文章297件のうち平均38件(約13%)が検出されなかった。とりわけ科学的な文章の模倣では検出ツールの成績が悪く、AIが生成した文章の約26%を検出できなかった。
本物の人間の文章を判定する場合、検出ツールはおおむね信頼できた。PangramとGPTZeroは人間の文章を1件もAIと誤判定しなかった一方、Originality.aiは495件中19件(3.8%)を誤ってAIと判定した。
このグラフについて詳しく
3つのAI文章検出ツール(Pangram、GPTZero、Originality.ai)の性能を、人間の文章、数語の基本的なプロンプトからAIが書いた文章、特定の著者の文体を模倣したAIの文章という3つの条件で測定した。人間の文章については偽陽性率(検出ツールがAIと判定した人間の文章の割合)を、AIの文章については偽陰性率(AIと判定しなかったAIの文章の割合)を示している。各検出ツールの既定の設定での文書単位の判定をそのまま用い、明確な「AI」判定だけを文章を正しく検出したものとして数えた。2つの検出ツール(PangramとGPTZero)は、文書の一部が人間、一部がAIによるものと判断する「混在(Mixed)」判定を返すことがある。今回の文章はいずれもそうした性質のものではないため、これも検出失敗として数えた。人間の文章で「混在」判定が出た場合も同様に誤りとなり、偽陽性率に算入されるが、495件の人間の文章でこの判定を返した検出ツールはなかった。
条件間のパターンは一貫している。偽陽性率は全体に低く、人間の書いた文章をAIと取り違えたのはOriginality.aiだけだった。同様に、基本的なプロンプト(模倣の指示や参照テキストなし)で書かせたAIの文章はほぼ必ず検出される。しかし、文体を模倣したAIの文章は、とくに科学的な文章で、かなりの割合が検出されない。データと図のコードはプロジェクトのリポジトリ(こちら)にある。
データ(原文・英語)
- 文章の種類別のAI検出ツールの誤り率 CSV・Epoch AI